退職時に必要な手続き
年金の切り替え
厚生年金(第2号被保険者)から国民年金(第1号被保険者)
または厚生年金(第2号被保険者)から家族の扶養(第3号被保険者)へ変更手続きを行う
健康保険の切り替え
会社の健康保険資格を喪失したら、国民健康保険・任意継続健康保険・家族の健康保険(扶養)のどれかに加入する
住民税
住民税は給与から天引き(特別徴収)から直接請求(普通徴収)へ切り替わる
新しい就職先がすでに決定している場合は、退職する職場で「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得異動届書」を作成提出してもらうことで次の職場の給与から天引き(特別徴収)してもらうことができる
所得税の確定申告
年の途中で退職し、12月31日までに再就職しない場合は翌年に個人で確定申告する必要がある
年末までに再就職が決まれば、新しい勤務先に源泉徴収票を提出することで前の勤務先の給与の合わせて年末調整をしてもらえるので確定申告する必要はない
失業手当の支給申請
ハローワークで手続きすることで、求職活動を安心して行えるように支給されるもの
ただし支給されるまでに時間がかかるし、就職が決まると受け取れなくなるので早く申請すること
年金・健康保険の切り替え
国民年金と健康保険への加入は義務
国民年金
20歳以上の人は国民年金への加入が義務づけられていて、強制加入の制度になっています。年金の保険料を納めないままにしておくと将来老齢年金を受給できなくなったり、もしものときに障害年金や遺族年金を受給できなくなってしまう恐れがあります。
健康保険
健康保険も日本に住んでいる全員に加入の義務があり、加入しない場合は病院で受診した際の医療費が全額自己負担となります。
家族の扶養に入るか入らないかで申請方法が異なる
配偶者であれば退職後の見込み収入で年収130万円未満であれば扶養に入ることができ、保険料は被保険者が加入している厚生年金や共済組合が一括して負担するので年金・健康保険ともに個別に支払う必要がなくなります。未婚の場合は年金は第1号被保険者に分類されてしまいますが、健康保険は要件に該当していれば扶養に入れるので、健康保険の保険料の支払う必要がなくなります。
※退職後の見込み収入とは過去の収入ではなく、扶養申請した日から1年間の収入のことをいいます。
扶養に入らない場合
国民健康保険への加入
期限:退職日の翌日から14日以内
場所:住所地内の市町村の国民健康保険の窓口
持物:本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)、
健康保険の資格喪失証明書(勤務先に発行してもらう)
年金の切り替え(厚生年金(第2号)→国民年金(第1号)へ)
期限:退職日の翌日から14日以内
場所:住所地の市区役所または町役場
持物:年金手帳
家族の扶養に入る場合:既婚の場合
家族の勤務先の保険に加入する(被扶養者になる)
期限:退職日の翌日から14日以内
書類:戸籍謄本または住民票の写し(被保険者と被扶養者の続柄が書面で確認できるもの)
退職証明書または雇用保険被保険者証の写し
健康保険の資格喪失証明書(勤務先に発行してもらう)
年金は扶養に切り替える(厚生年金(第2号)→被扶養者へ(第3号)へ)
手続きは扶養手続きの際に作成する「被扶養者(異動)届」が事業主を経由して日本年金機構へ提出されることによって完了するため、上記の扶養手続きのみで良い
家族の扶養に入る場合:未婚の場合
家族の勤務先の保険に加入する(被扶養者になる)
期限:退職日の翌日から14日以内
書類:戸籍謄本または住民票の写し(被保険者と被扶養者の続柄が書面で確認できるもの)
退職証明書または雇用保険被保険者証の写し
健康保険の資格喪失証明書(勤務先に発行してもらう)
国民年金へ切り替え(厚生年金(第2号)→国民年金(第1号)へ)
期限:退職日の翌日から14日以内
場所:住所地の市区役所または町役場
持物:年金手帳
住民税の支払い
住民税は前年度の所得に応じて6月に金額が決定し、支払い開始となる。会社に勤めている間は特別徴収といって、会社が支払われる毎月の給料から1月分ずつ住民税を天引きし代わりに一括納税をしてくれています。退職をした場合は自動的に普通徴収となり、納税通知書が届くので個人で支払いをする必要があります。普通徴収には一括と分割の支払い方法がありますが、分割も4回払いになるので1回の支払い額は大きくなります。
1月1日~5月31日の間に退職する
5月までの住民票が退職月の給与又は退職金から一括徴収されています。就職が決まっていなければ6月から普通徴収となるので納税通知書で支払いとなります。
6月1日~12月31日の間に退職
退職月の住民税まで給料から天引きされ、以降は普通徴収となります。会社によりますが退職時に翌年5月まで一括徴収を希望すると対応してもらえる場合があります。
退職後に再就職が決まっている
退職する職場で「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得異動届書」を作成提出してもらうことで、新しい職場に提出することで引き続き転職先で特別徴収となります。なので転職先が決まったら早めに作成を依頼した方が良いですが、書類作成のため転職先を伝える必要があるので転職先を知られたくない場合は一度普通徴収にして切りかえることもできます。
所得税の確定申告
確定申告とは
毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続をいいます。源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合にはこの確定申告によってその過不足を精算します。申告しなかった場合は無申告加算税や延滞税などのペナルティも課せられることがあります。会社員であれば年末調整を受けるため、在職中は確定申告の手続きは不要です。退職してから転職先を決める場合は、再就職のタイミングによっては個人で確定申告をする必要があります。
年の途中に退職し12月31日までに再就職した場合
年末までに再就職が決まれば、新しい勤務先に源泉徴収票を提出することで前の勤務先の給与の合わせて年末調整をしてもらえるので確定申告する必要はありません。
また退職金を受け取り時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していなかった場合、退職所得控除されないため多く納め過ぎた所得税の還付を受けるために確定申告をする必要があります。
年の途中に退職し12月31日までに再就職しない場合
年の途中で退職し、12月31日までに再就職しない場合は年末調整を受けられていないため翌年に個人で確定申告する必要がある
確定申告を行う
期間:毎年2月16日~3月15日
場所:税務署、市町村の税務課、確定申告相談会場(期間中のみ)
持物:源泉徴収票
生命保険、地震保険料などの支払い商名称
国民年金などの支払証明書
ハンコ(2021年4月~原則不要)
失業手当の申請
失業手当とは
雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
雇用保険に加入していたとしても申請をしないと給付されません。また給付までに時間がかかり再就職が決まると給付金はもらえなくなるため、給付を希望する場合は離職票を受け取り次第申請をしましょう。
失業手当申請手続き
期限:離職の翌日から1年以内(過ぎると所定給付日数の範囲内であっても基本手当が受けられない)
場所:住居を管轄するハローワーク
持物:雇用保険被保険者離職票
マイナンバーカード
身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)
写真(縦3.0㎝×横2.4㎝)2枚
本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
各種手続きをするために在職中に確認・申請しておくこと
雇用保険被保険者証の有無を確認
労働者が雇用保険に加入した際に発行される証明書で、重要な書類なので基本は事業主が発行して保管されているはずです。転職先に提出する必要があるので、退職時に渡してもらえる確認しておけば隔日かと思います。
雇用保険被保険者離職票の発行依頼
失業手当の申請、年金や健康保険の手続き等に必要になるので退職前に発行依頼をしておきましょう。
会社によりますが退職後10日前後に届くか受け取りに行くことになると思います。複数の手続きに必要になることがあるので、念のため何部かコピーして保管しておいたほう良いです。
健康保険の資格喪失証明書の発行依頼
国民健康保険加入時や扶養に入る場合にに必要になることがあります。退職時に受けとれるよう発行依頼しておきましょう。
退職所得の受給に関する申告書の提出
退職金には所得税がかかりますが、「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払いを受ける前日までに提出しておくことで軽減措置を受ける事ができます。もし提出をしていなかった場合でも、個人で確定申告をすることで多く納め過ぎた所得税の還付を受けることができます。
源泉徴収票
転職先への提出、年内の再就職ができなかった場合でも確定申告に必要となります。一般的には退職後1カ月以内に送付されるはずですが、1カ月以上たっても届かない場合は退職先に確認の連絡をしておいたほうが良いと思います。
年金手帳
退職後の年金切り替えのために必要でしたが、現在はマイナンバーカードですべて手続きができるようになっています。もし会社に提出しているようであれば退職時に返却されます。
給与支払報告・特別徴収に係る給与所得移動届書
退職後の転職先がすで決まっている場合は、現在の職場に作成提出の依頼しておくと転職先でも引き続き住民税を特別徴収として給料から天引きしてもらえます。(転職先を知られても良い場合)
まとめ
会社で働いていれば代わりに処理してくれていた税金、健康保険などの手続きも全て自分で管理しないといけなくなります。手続きに期限があったり、納税を忘れている場合は延滞金などが発生してしまうことがあるので自分に必要な手続きは何か事前確認して退職後に焦らないようにしましょう。
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